体育が嫌いになる前に!だれでもとび箱が跳べるようになる方法
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小学校の体育で困らない!だれでもとび箱が跳べるようになる方法
大学院で学校心理・健康発達教育を学んだJJです。
みなさんは、とび箱がとべましたか?
跳び箱は、ただ跳べたかどうかではなく、高さにもチャレンジできるので、楽しい子には本当に楽しい体育です。
しかし、跳べない子は、本当に恥ずかしい思いをしたり、お尻をなんどもうったり、太ももをすりむいたりして本当に大変ですよね。
今回は、自分の子どもがそんな思いをしないようにとび箱が跳べるようになる方法をご紹介します。
これは、向山洋一先生という教育会でも大きな影響力を与えている方が考案された方法で、私の実績としては、この方法で跳べなかったのは、たった一人だけで、99%の効果を持ちます。しかも、どんなに苦手でも、わずか数分で跳べるように体の使い方を子どもは覚えます。
学校体育でとび箱が跳べるようになるかどうかは運
教育現場で体育の指導をしていて思っていることがあります。
それは、学校では体育の専門ではない限り体育の研修はほとんど行われないという実態です。
算数や国語、道徳など、教科や人権の研修はよくあります。しかし、体育の研修というのは、専門ではない限りほとんど行われることはありません。
これは何を意味しているのか?
当然、先生にも教えるのが得意・不得意な教科というものがあります。
つまり、体育を教えるのが苦手な先生は、ほとんど研修を受けないまま体育が苦手な状態で体育を指導しているということです。
だから、体育の指導が得意な先生にあたると、とび箱ができるようになるけど、そうでなければとび箱ができないままになるということです。
また、とび箱指導を5時間したとしても、得意な先生は、しっかりと課題をクリアさせて新しい技の指導をします。しかし、苦手な先生は、できることしか教えず、ずっと同じ跳び方を指導していて、新しい技を教えません。つまり、先生によっても同じ時間指導しても、している内容が違うということです。
これは、先生の運動神経ではなく、そもそもとび箱指導ができるかどうかという指導技術の問題です。
私がとび箱指導ができるようになったのは、自分で休みの日に研修に出かけたり指導技術の本を何冊も買って勉強したからです。けっして、体育の指導が得意だったわけではありません。勉強熱心な先生とそうでない先生がいることも実態なのです。
実際、20代の運動神経バリバリの先生の4年生の体育のい授業を通りがかって見たとき、とび箱のできない子どもが一人いました。その子は、跳べるようになった子たちが別のメニューをしているときに、ひたすら隅っこでとび箱(開脚跳び)の練習をしていました。そのとき、指導者の先生は、その子どもではなく、新しい跳び方を練習している子を見ていました。この状態を否定しているわけではありません。ただ、カリキュラム上、跳べない子が跳べるようになるまで待てないということです。
跳べない子は、ひたすら、何度も何度も跳び方も分からず練習していました。
私が、向山先生のやり方で補助をしてあげていると、たた数分で跳べるようになりました。それを見ていた遠くの友達から歓声がおこり、拍手が起こりました。
もし、この子が私が見学に来ずに体育を終わらせていたら、跳び箱が跳べないままだったかもしれません。恥ずかしくて、跳び箱が嫌いになっていたかもしれません。
その子を6年生で担任することになり、とび箱の授業をするときに、「先生が教えてくれたんだよ」と嬉しそうに話してきました。私は、そのことをすっかりと忘れていたので、「そうだった」と思い出し、うれしそうな顔で話しかけてきたその子の顔を今でも思い出し、よかったなあと思っています。
とび箱が跳べなくても生きてはいけます。でも、体育の授業は、高校まで続きます。跳べるようになった子と跳べないまま終わった子の人生は、大きくは変わらないかもしれないけど、何か少し違う気がしませんか?
とび箱が跳べない子の特徴
【1】後ろに体重が残ってしまう
とび箱の最大のポイントは、体重移動です。これをスムーズに行うためには、跳んで手をついたあと、手をついた位置よりも肩が前に出てきます。これができない(体重移動ができない)ととび箱はできません。自然と体重移動ができるようになる(肩が前に出る感覚)練習をする必要があります。
【2】着地ができない
体をうまく支えられず、手をかくことができない場合、着地が安定せず、バランスを崩したり、太ももやお尻を打ったりもします。
【3】両足でジャンプができない
こういう特徴をもつ子は、そもそも跳び箱からどれくらい離れたところから跳べばいいかもわかっていません。だから、跳ぶ位置もばらばらになりやすいです。また、助走をつけても、跳び箱の前までくると止まってしまうこともあります。その原因は、体の使い方が悪いことであったり、恐怖感であったりもします。跳ぶタイミングを体でとることができないのです。
跳び箱が跳べるようになる練習の仕方
【ステップ1】跳び箱の端っこに座って、手をかいて降りる練習をする
まず、とび箱の着地側の端っこに開脚状態で座ります。
そこから、跳び箱の端っこに両手をつきます。
両手でとび箱をしっかりと押して降ります。
両足をそろえて着地をします。
この練習をうまくなるまで繰り返します。だいたい、3回~5回ぐらいで上手くなる子が多いです。
【ステップ2 】ゆっくりの助走で両足ジャンプで遠くに手をつく(そのときの大人の補助が必須)
補助の大人が右利きの場合は、とび箱の左側に立ちます。
子どもが、助走をつけてとび箱に手をつき、跳んできたら、右手全体を子どものお尻を支え、左手は、子どもの肩あたりを触ります。
(画質が悪くてすみません)
そのまま、お尻を持った右手をとび箱を飛び越えるところまで持って、子どもを運びます。
この時、子どもは、「肩を前に出すこと」「手をついてかくこと」を意識させます。
始めは、感覚が分かっていないので、子どもの体重が思いっきり乗ってきます。
でも、繰り返しているうちに、補助(大人)の手に乗ってくる体重がなくなってきます。
そうなったら、一人で跳んでもいい合図です。
※手の位置と肩が前に出てきたら跳べます
この練習は、子どもによるので、3回ぐらいでそうなる子と、10回以上やる必要がある子もいます。
どうしてもステップ2がクリアできない子の練習と工夫
【1】跳ぶ位置に印をつける
とび箱との距離感がうまく合わない子には、跳ぶ位置に印をつけておきましょう。もっと細かく言うと、助走の位置にも印をつけてあげましょう。
いつも同じ距離で練習できるようにしましょう。
【2】手をつく位置に印をつける
手をつく位置にも印をつけてあげましょう。ステップ2のときには、手をつく位置だけを見て跳ぶようにいうと、手のことに意識できるようになり、余計なことは考えなくなります。
【3】アザラシになろう
肩がどうしても前に出なかったり体重移動の感覚がうまく持てない子には、日常の中で、トレーニングが必要です。
うつ伏せで寝転んでから、腕だけで体をあげます。ちょうど腕立て伏せで疲れて、足も腰も床に着いている状態です。
そこから、片手を前に出し前進します。次に、逆の手を前に出し前進します。これを繰り返します。
【4】恐怖心があってどうしても跳べない
この段階の子は、正直難しいです。少しでも跳べるイメージをさせる方法は3つ。
①跳べている映像を見せて、自分が跳んでいるイメージを持たせる
②跳べた友達をみせる(跳べなかった子が跳べるようになると不思議と自分も跳べるかもと思って跳べるようになることがあります)
③大きさの小さいとび箱で自信をつける。(横長でチャレンジでもOK)
とび箱がない場合の練習
【1】公園のタイヤでの練習
公園のタイヤを使って、縦に跳ぶ練習をしましょう。跳び箱ほどの恐怖はありません。ただ、手を着くところは、どうしてもてっぺんの真ん中になります。ジャンプ力がない場合は、足を打ちますので、次の馬跳びで練習しましょう。
【2】大人の体を使った馬跳びでも練習
跳び箱がなくても手軽にできるのは、大人の背中を使った馬跳びが一番です。頭側から跳んでおしり側に着地できるようにしましょう。当然、一人では馬になってしまうと補助はできません。大人二人(どちらかが補助)が補助できるようにしましょう。馬になった人は、ぐらつくと子どもが怖がります。しっかりと安定しましょう。
【3】学校や体育館施設の跳び箱を借りる
一番いいのは、実際に体育館に行って借りることです。問題行動の多くない学校では、理由を話せば意外と体育館ととび箱を貸してくれるところも多いです。また、スポーツ施設など、田舎であれば、そこにある跳び箱を貸してくれたりもします。だめもとで、聞いてみましょう。
まとめ
どうでしたか?
最近の学校現場は、教科が増え、教える内容も増えて、余裕がなくなってきています。これは、物理的なことでどうしようもない実態があります。
学校の実態を考えれば、学校任せにぜず、家庭がどれだけ頑張れるかも子どもの将来に関わってきます。
跳び箱がとべなくて困っていても、親には言えないかもしれません。また、大きくなると補助をするのも大変になります。だったら、子どもが小さくて遊びの間に一緒に跳ぶ練習をしてあげるといいのではないでしょか?