子どもの大苦手運動!!鉄棒(逆上がり)ができるようになる方法

子どもの大苦手運動!!鉄棒(逆上がり)ができるようになる方法

大学院で学校心理・発達健康教育を学んだJJです。

教育現場に約20年いたときに、よく取り組んだのが鉄棒でした。

 

特に、「逆上がり」は年々できる子が減ってきている印象を持っていました。

また、10歳以上から取り組むよりも、8才ぐらいに取り組んだ方ができる子が多くなるという印象ももっています。

 

これは、思春期に入ってくると、特に、女の子の体重が重くなって自分の身体を支えられないこと。

できないことが恥ずかしかったり、他にしたいことがあって、自分から練習しないことなどがあげられます。

 

8才ぐらいの子は、体も小さくなんとか自分の体重を支えることができたり、また、できないことに夢中になれる年齢なので自分から練習してくれます。

 

ただし、自分から練習するとはいっても、何のコツやアドバイスも教えずやるだけでは、できない子はできません。

今回は、逆上がりのできない子を何人もできるようにしてきた鉄棒の逆上がりのコツとステップをご紹介したいと思います。

 

 

逆上がりができない子の特徴

逆上がりのできない子は、だいたい5つの特徴のどれかを持っています。

 

【1】力任せにやろうとする

 力技でできてしまう子もいるのですが、とにかく力でなんとかしなければと自分の身体をうまく使えていない場合があります。

 これは、練習する中で抜けてきます。

 

【2】顔と上半身が反ってすぐに下を向いてしまう

 これはものすごく多いです。【3】【4】ともつながるところがあるのですが、すぐに下を向いてしまうので、鉄棒に体を近づけることができません。

 

【3】肘がすぐに伸びてしまう

 体重を支えることができず、肘がすぐに伸びてしまう子も多いです。これでは、鉄棒に体を近づけることができません。

 

【4】両足を同時にあげようとする

 逆上がりは、圧倒的に片足をまずてっぺんまで上げた方が回りやすいです。両足同時にあげようとすると難易度が高くなってしまいます。

 これは、回る感覚がついてからでいいです。

 

【5】足が高くまであがらない

 これができないと、回ることができません。足を高く上げようとして、上半身が反ってしまう。つまり、体をまげたまま足を頂点までもっていくとう感覚がつかめていない証拠です。

 

 

逆上がりができるようになるステップ3

 まず、鉄棒は、順手がいいのか逆手がいいのかで悩みますね。結論は、どっちでもいいです。

 私は、順手で子どもに指導してきました。

 

【1】タイミングを作って、勢いを利用する

 力任せにやろうとすると勢いがつかず、そのまま足が床に落ちてしまいます。

 まず、鉄棒を順手で持ち、足を前後に開きます。

 次に、「い~ち、に~の」と言いながら、後ろにある足の振り上げを繰り返し・・・

最後に、「さん」で、一気に粋酔よく足を振り上げて上半身を鉄棒に近づけて前足を力強く踏み込みます。

 

【2】あごを引いて、鉄棒をずっと見ておく

 すぐに体が反って下に顔と体が落ちてしまう子には、「あごを引いて、鉄棒を見る」ように声をかけます。

 

 【3】肘をしっかりと曲げて鉄棒にひきつける

 【2】のときに、「肘が伸びないように肘を曲げて体を支えること」「両足が同時にあがらないように【1】を徹底して、振りあげ足をしっかりと振り上げること」をアドバイスします。

 

 

逆上がりができない子の練習の工夫3選

 逆上がり自体を考えると回るか回れないかになってしまいます。回れないということは、回る感覚をつかめないということ。回る感覚をつかんでいけば、補助具なしでも意外とできるようになる子も増えてきます。

 

【1】足が高くあがらない子には、オーバーヘッドキック

 足が頂点まで持っていけない子には、目標を持たせることがイメージしやすくなります。鉄棒の上方の子どもの足が届く距離に、お家の方が、ボールをぶら下げてあげます。

 タイミングをしっかりと「いち、に~の」と取らせて、「さん」でしっかり振り上げ、上に上がった足でそのボールをければOKということを繰り返します。

 このときに、肘を曲げてあごを引くことも指導してあげてください。この練習で、タイミングと勢い、片足上げがしっかりと身についてきます。

 

【2】バスタオルで体を支える

 どうしても肘が伸びてしまう子には、バスタオルで体を支えて練習するといいでしょう。逆上がり練習用のベルトなども市販されていますが、バスタオルで十分です。

 バスタオルを手で持って鉄棒を持つのは、危ないので、バスタオルを鉄棒に結びつけます。そこに子どもが体を入れて回ると、バスタオルが子どもの身体を支えてくれるので、体が反ることがありません。できるようになればなるほど、バスタオルのたわみを大きくして徐々に支えを弱くしていきます。

 ただし、バスタオルが外れると子どもは、急に体の全体重が手にかかるので、落ちてしまうかもしれません。安全のために、親が必ずそばでみていましょう。当然、このリスクをさけるために市販の逆上がり補助ベルトを購入するのもいいでしょう。

 

【3】かけ上げる位置を高くして徐々に低くしていく

 小学校の運動場に行くと下のような逆上がり補助のけり台があるところが多いです。

 

 この台を使って駆け上がり逆上がりの練習をさせます。これなら、一人でもできるので、親がいなくても大丈夫です。

ただこの台の使い方を分かっていないと逆上がりができるようにはなりません。そのステップを紹介します。

 はじめは、回れるタイミングで好きなようにさせてあげましょう。慣れてきたら、かけ上がれる場所を少しずつ下げていきます。こういう台は、だいたい高さで色が分かれています。だから、「〇色まで」と決めていきます。徐々に下の方に持っていき、一番下の色から逆上がりができるようになれば、平地で練習します。

 こういう台がない場合は、子どもに私の身体をけらせていました。服の汚れだけが気になる程度で、子どもにけられてもそんなに痛くあいません。顔だけはけられないように気をつけてくさい。また、子どもにけられるのが嫌な場合は、専用のこのような台よりは落ちますが、下に高さのでる台(丈夫で高さがでればなんでもいい)を置いてあげて、それをけって逆上がりを練習させることもできます。このときは、台が固定されていないので、親が台を後ろから押さえて支えてあげましょう。

 

 

筋力がなくて逆上がりができない場合の練習

【1】最後に起き上がれない子の練習

せっかく回れるようになっても、最後の最後に、鉄棒にだら~んと布団干しのように乗ってしまう子がいます。少し補助してあげればすぐに起き上がれるのですが、こういう子は、背筋力が弱い(使えていない)子、また、首だけで体を起こそうとする子に多いです。こうなってしまう場合は、布団干しのようになった状態から、首だけで起こすのではなく、後頭部と背中に気持ちを集中させて体を起こす練習を繰り返します。

 

【2】自分の身体を支えられない子

タオル練習でできるようになっても、そもそも腕の力がない子は、鉄棒をするのは難しいです。そのためには、筋力をつける(使える)ようにする必要があります。斜め懸垂で肘を曲げたまま維持させたり、鉄棒を逆手に持って、肘を曲げて体を近づけて太ももを挙げて空中で自分の身体を支え続ける練習を繰り返して、鉄棒に必要な筋力をつけてあげましょう。

 

 

まとめ

いかがでしかか?

逆上がりが苦労もせずできた人には、逆上がりがなぜできないのかよく分からないと思います。きっと、「勢いがない」「もっと勢いをつけて」ぐらいしかアドバイスできなかったり、「根性だ」と根性論になってしまうのではないでしょうか。

しかし、逆上がりができない子には、その子の特徴が必ずあります。どこができていないのかをしっかりと見極めてアドバイスをすること、また、補助具を工夫してあげることで、回る感覚がつかめます。

最近の学校教育では、体育の授業が削減され、十分に指導できる時間がなくなってきています。だからこそ、家庭で一緒に取り組んであげましょう。「できる子はできる」「できない子はできない」ではなく、できない子は、「できるようになるまで時間を確保してあげること」が大切です。

思春期に近づいてくると、「逆上がりなんてできなくても生きていける」などと言い始めたりします。でも、心の中では、「できるようになるならできるようになりたい」と思っているものです。そうなる前の8才ぐらいまでには、逆上がりを練習させてあげましょう。

 

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