こうすればかけ算の九九をだれでも簡単に覚えられる!ステップ5!!

こうすればかけ算の九九をだれでも簡単に覚えられる!ステップ5!!

大学院で学校心理学・健康発達教育学を学んだJJです。

私は、教育現場でこれまでに、3000人以上の子どもたちと接してきました。

その中でも、小学2年生の九九につまずく子どもたちの多いこと。

 

中には、2年生で覚えられないから3年生の先生に任せるという人もいました。

しかし、私は、これまで2年生の担任をしてきて、誰1人九九を覚えずに3年生に進級させたことはありません。

確かに、個々の発達段階やペースが違うので、みんな同じではありません。

でも、その子のペースと様子を見て、必ず全員九九を覚えて進級させることができたのはなぜか?

 

  • 本当に必要な九九カードを知っているから
  • それは、九九にチャレンジしたいと思える楽しい工夫があるから
  • 歌を導入していたから

今回は、九九がなかなか覚えられなくて不安。学校の授業だけでは覚えられないという子どもに、家庭でできる九九の勉強方法をお伝えします。

効果は、100%です。あとは、取り組めるかどうかです。

 

 

九九が苦手になる子どもの特徴

【1】家庭での練習量が足りない家

当然、学校がメインになることは間違いありません。ただし、本当に学力を高めたいなら家庭学習は必要不可欠です。考えてみてください。中学、高校と進級していけば、試験勉強は、家庭学習です。だから、家で勉強するという習慣は本当に必要です。

しかも、2年生で覚える九九は、ほんとうにすらすらできるようにさせてあげてください。なぜなら、3年生では、わり算、かけ算の筆算が出てくるからです。これは、九九ができていないと、どんどん算数が分からなくなってしまいます。3年生で、急に算数の点数が下がったという話はよく聞く話です。2年生と3年生の算数は、まったくレベルが違うと思ってください。

さて、学校現場では、九九の授業はどれくらいやるのでしょうか?2年生は、だいたい10月ごろから九九に入り、九九表の応用まで考えると1月まで、ずっとかけ算をやり続けます。九九は覚えてしまえばいいので、たし算のように計算間違いはなく、覚えた子どもほど、算数の点数がよくなり、算数に意欲的になります。

ただ、1クラスが25人から30人以上いるクラスで、先生が、子どもたちの九九を聞ける時間はどれくらいあるのでしょうか?一人1分聞いてあげたとしても、30人なら30分。1コマの授業のほとんどが終わってしまいます。基本的に学校では、みんなで九九を唱えて、一人練習の時間とテストの時間をつくり、教科書でかけ算の意味や文章題を解くという1時間にしている先生がほとんどだと思います。また、合格した子を、子ども先生として先生一人では聴ききれない子どもを分散させる工夫もあります。しかし、友だち同士だと甘くなったり、子どもだと間違いに気づかないことも多々あります。そう考えると、はじめは、九九に時間をさけるし、教科書通りなら、5の段なのですぐに覚えられるけど、4の段、7の段、8の段あたりは、発音が似ているところもあるので、覚えたと思っていた4の段が間違え始めたりします。つまり、学校の授業だけで覚えたり、家で少し唱えるだけで覚える子ばかりではないということです。

 

【2】いつもとは違う数の数え方になじめない

そもそも算数が苦手で小さいころに数字に親しんでいない子どもに多いです。その理由は、読み方にあります。

「4(し)」「7(しち)」「8(はち)」とほぼ読みます。つまり、九九では、「4(よん)」「7(なな)」とは読まなんですね。「42(しじゅうに)」と読むし、「72(しちじゅうに)」と読むことも、日常生活とは違うので、数字の苦手な子どもは戸惑うことが多いです。それじゃあ、子どもが読みやすいように「72(ななじゅうに)」と変えてしまったりしたらいいじゃんって思う人もいるかもしれませんが、これをすると大変!!教科書には、正しいフリガナで書かれているし、学校では、みんなで読む一斉読みがあります。つまり、家と学校で違う読み方をすることも、子どもには、大変な負担になって、頭が整理できなくなるんです。

また、「4(し)」「7(しち)」が鬼門で、「しいちがし、しにがはち・・・」と唱えていても、いつのまにか、「しろく」が「しちろく」となってしまったりします。これも、「し」「しち」が似ているからです。あとよく間違えるのは、「8×6」です。答えは、「48」なのですが、「42」になる子どもが多いです。これは、発音が「7×6」と似ているために起こります。

数字の読み方が違うことも、親が理解している必要があります。

 

 

必ず九九が覚えられるステップ5

 まず、【1】~【3】の段階では、15~20秒以内にできることを目標にしてほしいですが、速さにこだわってはいけません。気を付けることは、口をしっかりと動かして発音を意識させることです。苦手になる理由と後で修正する時間を考えれば、ここで徹底的に口を動かして正しく発音させることが、結果として、最短に間違えずに覚えることができるからです。

 

【1】数字の上の読み方をかいてあげる

 まず、慣れない読み方を徹底的に覚えるためには、答えや読み方が数字の上に書いてあるものを用意しましょう。はじめから書いてあるものでもいいし、なければ、読み方を書いてあげましょう。また、読み方だけしかかいていない(つまりひらがなだけしかかいていない)ものはいりません。数字の上にかいてあるものを用意します。

 それを読みながら、正しい読みを何度も何度も見ながら唱える練習をしましょう。間違えて覚えると直すのには、その倍以上の時間がかかると思ってください。

 この段階が一番大事です。

 

【2】答えだけを隠して唱える

 慣れてきたら、すぐに、見ないでいうのではなく、答えだけを隠して、かけ算は読みと一緒に見えるようにします。答えだけを隠すことのメリットは、「正しく九九が読めること」と答えだけを意識するので「その段の増え方をイメージできること」です。かけ算の意味が分かっている子どもは、答えを忘れても、4の段だったら「前の答えに4を足したりして答えを考える」ことがあります。当然、覚えたといえませんが、算数の力としては、合格の考え方です。認めてあげましょう。いずれ、覚えます。

 

【3】読みをなくした答えのないかけ算をみながら唱える

 無駄なステップだと思うかもしれませんが、ここが大事です。何度も言いますが、1度間違えて覚えてしまうと、修正するのに倍以上の時間がかかります。間違えて唱えることだけを避けています。だから、丁寧にスモールステップでここまでやっていきましょう。逆に、ここまでができれば、もう覚えていうことができています。

 

【4】何も見ないで唱えさせる

 ここでようやく何も見ないで練習をします。見ないということは、間違えても分かりません。この段階は、とくに聞いてあげることが必要です。でも、【1】から【3】までのステップを合格していれば、大丈夫。覚えているか覚えていないかになっているはずです。

 

【5 】いろいろな唱え方をさせる

 速さとしては、10秒~15秒以内で十分です。でも、もう1つ大事なことは、「×1」「×2」「×3」・・・と順番に読んでいく(順唱)だけでなく、「×9」「×8」「×7」・・・と逆から唱えていく(逆唱)にもチャレンジさせましょう。それができたら「×1」「×3」「×5」「×7」「×9」「×2」「×4」「×6」「×8」と唱える(とび唱)、「×1」「×9」「×2」「×8」「×3」「×7」「×4」「×6」「×5」とサンドイッチ的に唱える(はさみ唱)などにもチャレンジさせてあげましょう。ただ、これらの唱え方は覚えたものをいろいろなチャレンジの仕方で定着を目指す意欲付けにすぎません。できるのは、逆唱までで大丈夫です。子どもの様子を見て、チャレンジさせてあげましょう。

 

 

どうしても苦手な子ができる方法

 とはいっても、やはり、苦手な子はいます。そうしたときはどうしたらいいでしょうか?

【1】指を使ってもいい

 「×1」「×2」「×3」・・・という順番がわからなくなる子がいます。そんな子には、指を使ってもいいというルールにしてください。×1は、指1本。×2は、指2本・・・としていくと、この段階でのつまずきがなくなり、九九を覚えることに集中できます。特に、逆唱やとび唱では、おうちの人が指を見せてやってもいいでしょう。

 

【2】もっと苦手な子は、九九カードを使う。

 九九カードには、表にかけ算(九九)が1つあって、裏に答えがあります。それを見ながらやることもOKにしてあげましょう。基本的に、テストでは、九九が書かれているものに答えを書く事がほとんどです。はじめから、何もみないでいうことが極度に苦手な子には、こうしたハードルを低くしてあげることも必要です。

 

 

意欲長持ち!意欲が倍増するアイテム3選

【1】合格カードとシール

 ステップを考えて合格カードと子どもの好きなシールを用意します。どうしてもなければ、100円ショップのキラキラしたシールでもかまいません。

 1つ1つのステップを合格したら、シールを張ってあげましょう。たまっていくごとに子どもは、視覚的にできたことを感じることができるので意欲が増していきます。

例えば、まず見て10回よめたらシール、答えを隠して読めたらシール、読みのない答えもないものが唱えられたらシール、何も見ないで15秒以内ならシール、

逆に読めたらシール・・・・などシールがはれるカード(台紙)を作ってあげましょう。

 

【2】各段の表彰状

 簡単なものでかまいません。2の段認定証・・・・・・・を作ってあげましょう。これは、すべてのステップを合格した場合のみに渡してあげます。

 渡すときは、学校で表彰されるように楽しくしっかりと渡してあげましょう。また、普段関われないお父さんが渡すのもいいと思います。

 

【3】友だちと一緒に

 九九を一緒にできる友だちや仲間がいると張り合いがでていいものです。できれば、2人よりは、3人以上いた方がいいです。どうしても無理な場合は、兄弟(下の子)にチャレンジさせてもいいでしょう。九九は、早目に覚えても問題ありません。

 

 

九九にまつわる新常識⁉効果あり?なし?を経験から

【1】7の段の難しい段から覚えるといい?

 これは、九九を始めたころに一番意欲が高いということで、難しい7、8、6の段を先にやるという方法です。教科書通りなら、5、2,3、4・・・となっています。最後が1の段です。

 両方試しましたが、どちらともいえません。結論としては、特に意味はありません。結局、3~4か月九九をするのは、子どもは飽きます。だから、簡単な段からやることで、早く合格して、残り、7、8の段だけとなった方が視覚的にあとちょっとと思えるし、先に、難しい段を時間をかけてやると飽きが早い場合もあるので・・・。教科書通りでいいかなあと思います。

 

【2】4×6、6×4のようなかけ算の意味の違いは大事?

 ある予備校の有名な先生が、意味がないと言ってから一時期話題になりましたが、小学校の段階では大事です。ただ算数的な言い回しが教科書では強く「4×6」は、「4の6個分」。「6×4」は、「6の4個分」という言い方になります。これも、普段使わない言い方なので、「4×6」は、「4つの塊が6こある」とか「4人組が6チームある」というような、日常生活の言葉になおしてあげた方がいいと思います。

 

【3】学校と並行してここまでしてもいい?

 これは、学校でどんなことに取り組んでいるかによります。ここまで徹底して家でできると学校でも得意になって勉強していると思います。学校の様子と宿題の内容をみながら、やらせるといいでしょう。

 

【4】九九の歌の効果はどれくらいあるの?

 歌。昔のアニメの歌などもそうですが、覚えようと思っていなくても、今でも歌える歌ってけっこうありますよね。歌で覚えるとリズムとメロディの影響で忘れにくくなります。ただ、歌で覚えるというよりも、九九に触れさせる工夫の1つとして歌があると思ってください。私は、給食の時間にかけていました。すると、いつの間にか歌える子が出てきます。でも、これは当たり前です。メロディーさえ覚えていれば、九九を知っている子は歌えるようになるからです。つまり、九九を定着させるための歌であって、覚えさせるための歌ではないということです。だから、家庭では、車の中やご飯の時間なんかにかけておくといいでしょう。

 

【5】九九表をトイレやお風呂などの壁に貼っておくことは?

 これも子どもによって効果があるかないかは分かれます。そもそも、お風呂で見たりトイレで見たりするかどうかは、本人の性格によるからです。お風呂に一緒に入って楽しそうにゲーム的に九九をするのもいいし、トイレに入ったら1回は読んでからでるとしてもいいでしょう。まあ、九九をしなきゃいけないなあという呼びかけ程度にはなるので、貼れるなら貼ってあげてもいいと思います。これは、私個人の考え方ですが、九九だけでこうした表を貼るのではなく、定期的に英語や漢字、暗唱などに定期的に張り替えて常に、新鮮な空間を作ってあげていれば、「今は、九九なんだな」と、お風呂やトイレで自然に勉強する習慣が身につくと思います。

 

 まとめ

 どうでしたか?

 九九を始める前に、しっかりとここまで用意してあげれば、後から後から追加するよりも、意欲的に取り組めます。もし心配なら、すべてのステップを用意しても、ここまでは絶対に合格しようねという最低ラインまででもいいということをはじめに決めておくことも大事です。できないから、妥協案としてそうなったというより、はじめから、ここまでが合格ラインと決まっていた方がいいからです。楽しければ、最低ラインを越えても自分で取り組んでいきます。本来、子どもは、九九が大好きだし、得意になりたいと思っているからです。

 

 

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