中学受験を迷っている方へ

6年生の担任を4回してきましたが、年に何人かは私立受験をする子がいます。

私立受験をする子のほとんどは、小学4,5年生ぐらいには、私立に向けて何らかの対策を始めています。

今回は、私立と公立の違いを比べながら、中学受験について考えていきましょう。

私立に行くにしても、どこでもいいわけではなく、どうして受験をしてまで私立中学を目指すのかということを考えてみましょう。

けっして、中学受験対策や中学受験に合格する方法とかではなく、公立よりも私立の方がいいのかなと迷っている方にむけてのレポートです。

  

公立中学校とは

 公立学校は、いわゆる税金で運営されている学校になります。

 そのため、授業料は無料となっており、経済的な負担は少ないです。

 私立と違って、進学するために試験などはなく、小学校を卒業すれば、全員が中学行へ進学できます。

 ただ、住んでいる地域で行く先が決まってしまい、あっちの中学の方が近いとか、あの中学へ行きたいと思っても、よほどの理由がないかぎり、他の中学へ行くことはできません。

 

 

私立中学校とは

 学校法人が運営する学校になります。

 公立に比べて経済的負担が大きくなります。

 また、その学校へ進学するためには、受験を受けて合格する必要があり、それに合格しないと私立学校へ行くことはできません。

 ただ、住んでいる地域に限定せず、受験に合格さえすれば、どこに住んでいても通うことができます。

 場合によっては、寮を設置しているところもあります。

  

 

私立中学を選ぶ理由

 お金もかかり、受験までしなければいけない私立中学をどうして希望する人がいるのでしょうか。

 

① 勉強面での強み

 まず、一番大きい違いがこの勉強面です。私立中学は、公立中学よりもより高いレベルの勉強をしているところが多いです。また、進度も早く、基本的には、中学2年生で中学の勉強が終わり、中3からは、高校1年生の勉強が始まります。

 そして、高校3年生からは、大学受験のための勉強に1年間を費やせることが大きいメリットですね。

 また、公立学校では、先生の移動が多く、3年間同じ先生が同じ教科を教えてくれるとは限らず、先生の質もばらばらです。その点、私立中学は、先生は基本的にずっとその学校に勤めるため、勉強の教え方が一貫しており、子どもも来年は先生がいない、違うといった不安なく過ごすことができます。

 学校にもよりますが、英語や数学に力を入れているところが多く、大学受験をしっかりと視野に入れて手厚くフォローしています。

 

② 進学での強み

 まず、私立中学のほとんどは、高校まで運営しているところが多く、高校受験がありません。そのため、中学に合格さえすれば、高校まで行くところが決まります。

 また、私立の中には、大学までつながっているところもあり、ある程度の成績があれば内部進学ができるところも魅力です。(希望される場合は、そういう私立をさがしましょう)。受験は、当日勝負なので、問題を読み間違えたり体調が悪くて普段の力が発揮できないなどのリスクもきにしなくていいですよね。

 あと、高校受験がないことで、子ども自身のストレスも少なくなります。子どもの性格によってなんとも言えない部分もありますが、特に、中学受験をするころって、ただでさえ、いろいろな悩みを持っています。また、心も成長途中で不安定です。そんなときの受験のストレスは、本当に大きいですよね。それがないということだけでも、家での過ごし方や親への接し方が穏やかになりやすいと思います。

  

③ 独自のカリキュラムの魅力と校風

 私立は、いろいろ独自の強みをもっているところが多いです。

 例えば、中高一貫の強みを生かして、中学と高校との交流をさかんに行っていたり、部活も中学で終わりではなく、高校までの6年間を考えているところもあります。逆に、部活には力を入れておらず、気楽にいろいろな部活に参加できるような雰囲気のある学校もあります。

 それ以外にも文化的な特色をもっているところもあり、校風が気に入れば、子どもにも親にも素敵な学校生活となるでしょう。例えば、図書室に力を入れている学校などは、本も充実していて、図書室での勉強も気持ちよくできるようです。また、水泳などのカリキュラムがないところもあり、水泳嫌いの子にはうれしいでしょう。

 また、男女共学ではなく、女子だけとか男子だけの学校もあり、また、宗教的なものや海外の文化など独特の雰囲気が伝統的に残っているところも少なくありません。

 

④ ある程度想像できる生活をおくれる

 私立受験に合格するためには、受験に合格する必要があるので、似たような学力の子たちと一緒になります。そのため、変に先生に反抗的な子がいるとか、素行の悪いというような公立中学校であるようなことがあまり起こりません。

そのため、ある意味、年によって生徒の様子が違う公立中学ほどの違いはなく、そうした周りの環境の良さも私立中学の特徴でしょう。

さらに、生徒の人数もきっちり決まっていて、クラスの人数が学年によって違うということもありません。また、少人数制をとっている私立中学もあり、細やかに指導してくれる場合があります。

 

⑤ PTAがない

 全国を調べたわけではないのですべてではないかもしれませんが、子どもたちが、いろいろな場所から登校するので、地域という縛りがありません。だから、PTA活動もできにくいので基本的にありません。

 そのため、PTAの選挙の結果次第で、何らかの部会に入る必要とかがありません。親が夜に学校へ行って、会議をしたり、運動会や何かの行事の企画をしたり手伝ったりということはなく過ごすことができます。

 これは、子どものメリットではなく、親のメリットになりますかね。

 

 

私立中学のデメリット

 デメリットと考えるかどうかは人によってですが、私の目線でお伝えします。

 

① 年間にかかる費用が高くなる

 経済的にかかる負担が大きくなるため、私立受験をしたいけどできないという方も多いでしょう。それでも、無理して私立へ行ったとしても、そのためにたくさん働く必要がでてきて、子どもと関わる時間が少なくなったり、日々の生活が苦しくなってしまっては、本当に子どもの幸せにつながるとは限りません。

公立中学が、3年間で150万円ぐらいとされている中で、私立中学の3年間の平均は430万円です。約3倍もの違いは大きいですよね。

 

② 授業の進度が速くてついていけないかも

 高校2年生までに高校3年生までの授業が終わるということは、授業進度は速いです。だから、ある程度の学力がある子どもを学校側は試験で選ぶのですが、その進度が合わないということも、やはり出てくることは事実です。

 これは、入ってみないと分からないので、分からないときは、しっかりと先生に聞くことができる子にしておけば大丈夫かなと思います。

 

③ 土曜日も学校があるところも

 進度も早く、そして、公立よりもやることが多い学校が多いので、土曜日も普通に学校があるというところも多いです。せっかく、親が土曜日、日曜日とお休みがあっても、家族で旅行できるのは、祝日がらみの連休か夏休みなどの長期休みとなりますね。

 しかしながら、土曜日も学校があるという部分に関しては、学力という側面からはメリットですよ。

 

④ 人間関係を0から作る必要がある

 ここも深く考える必要はないかもしれませんが、多くの友達と別れて私立へ行く子ばかりです。また、地域で一緒だったお兄ちゃんやお姉ちゃんもいるでしょう。特に、小規模・中規模ぐらいの小学校で育った子どもたちにとっては、知っている子の親密度が大きい傾向にあると思うので、新しい人間関係を作っていく必要があるのはデメリットになる場合もあるかなあと思います。

 ただ、自分だけが転校してきた一人ではなく、みんながそうなので、そんなに気にする必要はないかもしれませんね。

 逆に、入学してからになりますが、中学時代にできた友達とは、高校も必ず同じになるというのは、メリットになるかもしれませんね。

 

⑤ みんなが遊んでいるときに受験をするストレス

 これに関しては、受験のデメリットとなりますが、公立の場合は、高校受験をみんながしているときに自分もすることになるので、ストレスはかかりますが、みんながそうです。しかし、私立中学受験に関しては、みんなが遊んでいるときに、遠くの塾へ通ったり、夏季講習を受けたりすることになります。

 そうすると、今まで、友達と遊んでいた時間が、勉強時間となり、それに強いストレスを感じる子もいるかもしれません。

 そのフォローも大事ですし、そのストレスを乗り越えるためには、やはりこの中学校へ行きたいという目標を持たせる必要があります。

 

 

中学受験を考えるうえで

① 将来につながりやすいように

 公立に行っても、私立に行っても、どこでもがんばることができれば、やりたいことへつながると思います。

 ただ、プロ野球選手になりたい子が、強い高校への進学を考えるように、周りの環境は大きいものです。

 公立には、それこそ、中学卒業と同時に就職する子もいます。大学まで考えていない子もいます。しかし、私立に来ている子は、基本的に大学進学まで考えているし、親もそうです。

 環境が整いやすいです。

 だからこそ、将来何をしたいのか?(現段階で何をさせてあげたいのか)を考えて、受験校を選ぶといいですね。

 

② とりあえず私立という考え方も場合によってはあり

 前述したように、公立よりも環境が整っているので、とくに何がしたいのか分からないとしても、余裕があるなら私立ということもありでしょう。

 また、地元の学校の友達になじめなかったとか、何となくこのまま地元の中学に進学しても面白くなさそうなど、とりあえず私立へ行って大きく環境を変えてみようというのもいいでしょう。

 私立受験は、親子が一丸となって取り組みやすいイベントです。

 一緒にがんばってみるのもいいのではないでしょうか?

 

③ 特定の大学や就職へつながりやすい私立も調べてみよう

 中には、自分が行きたい(親が行かせたい、将来の職業につながりやすい)大学への進学率が高かったり、そうした勉強に特化したカリキュラムを組んでいるところもあります。

 例えば、将来医者になりたい(させたい)子どもがいた場合、当然、公立からも医者になることはできますが、そうした医学部への進学率が高い私立へ行かせてあげようとしたりもします。

 

④学校見学へ行ってみることが大事

 多くの私立中学校(高校)は、学校説明会を開催しています。また、学祭や学校を解放している日を設けているところもあります。そうした日に、子どもと一緒に足を運んでみましょう。

 すると、この学校へ行きたいという思いが強くなる(具体的になる)ことがあります。

 実際に、親が行かれている場合は、そのときに話なんかもしてあげるといいでしょう。

 塾へ行けば、同じような目標をもった子どもたちとも出会います。

 そうやって「この学校へ行くんだ」と強く思わせることが大ですから、ぜひ、学校見学をしましょう。

   

⑤ 進学塾は必須かな

 私立受験に関しては、しっかりと対策する必要があります。

 すごく難しい問題を出すところもあれば、学力に関しては、学校の教科書をしっかりとできていればいいレベルのところもあります。そうしたところは、面接重視や作文重視だったりというところもあります。

 多くの子どもたちは、早い子で4年生までには受験対策を始めていて、遅くても5年生から始めている子が多いです。

 学校の勉強とは、レベル(応用度)が全く違いますので、進学塾は必須です。また、進学塾へ行くと、自分と同じ目標を持った仲間と出会うので、モチベーションにつながります。

 

⑥ 人間関係を0から作りたいと思っての動機もありかなあ

 ②でもふれたことですが、私の知り合いの子どもですが、どうしても気の合わない友達がいたけど、なかなかその子から離れることができなかったそうです。そこで、私立受験をして、その子とは違う学校へ行こうと思ったそうです。

 そうするために、進学塾へ通うことにしたところ、その塾に通う子とすごく仲良くなったそうです。

 そして、中学受験を無事終えることができ、その塾で出会った子とずっと仲良く6年間を過ごしたそうです。

 小学校時代にいい友達関係を作れなかったから、私立で新しい出会いを求めてみようというのもありなのかなあと思います。

 ただし、人間関係がうまくいくかどうかというのは、公立に行こうが、私立に行こうが、未来のことなので、絶対に私立に行けば、いい人間関係が作れるとは限りません。逆に、今はうまくいっていないかもしれませんが、中学は、他の小学校からも進学してくるところがほとんどなので、新しい人間関係をつくることができるのは同じです。じゃんけんで、相手が何を出すのかと考えるのと同じで、先のことを考えることはできるけど、100%そうなるというはありませんよね。

 ⑥に関しては、特殊な例としてお伝えだけしておきます。

  

  

中学受験を迷っている方へのまとめ

 経験ですが、私立受験をする子の多くは、親も私立へ進学していた場合が多いです。

 自分がそうだったから、受験させるというだけでは、子どものモチベーションが上がらない場合も多いでしょう。

 大切なことは、しっかりと目標を持たせることです。中には、自分でそう思って行動する子もいるとは思いますが、そう多くはいません。目標を持たせてあげるのは、親の役割だと思います。

 また、ただ漠然と私立受験をさせた方がいいのかなと思っているだけの方は、デメリットで上げた部分を考慮して、私立へ行っても問題はないと判断した場合のみ、受験を考えましょう。

 

 

 

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