勉強に集中できる!正しい鉛筆の持ち方
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勉強に集中できる!正しい鉛筆の持ち方
健康と子育てを応援するブログを見ていただきありがとうございます。
大学院で学校心理・発達健康教育を学んだJJです。
今回は、鉛筆の持ち方についてです。
小さい頃、鉛筆やクレヨンなど、3才までには筆記具を持ってお絵かきや色塗りをする子は多いでしょう。
でも、そのときに、鉛筆の持ち方を教える必要があるのかなあと悩んだ経験はありませんか?
今は、好きなように持たせてお絵かきを楽しめればいいのでは?と。
実際、スプーンやお箸も正しく持てなかったのが、後からでも持てるようになるし、鉛筆も・・・と思うかもしれません。
でも、やはり、鉛筆に関しては、早目に持ち方を教えてあげましょう。
今日は、その理由を説明します。また、小学生のお子さんにも有益な情報となると思います。
正しい鉛筆の持ち方を覚えることで、きれいな字が書きやすくなり、集中力も増してきます。
学校で正しい鉛筆の持ち方を教えることはほぼない
私は、学校現場に約20年いました。
学校現場にいて、鉛筆の持ち方を指導(教える)のは、小学校1年生がメインです。
しかし、鉛筆の持ち方を教えるのは、1番はじめの国語や書写(書き取り)の時間だけで、4月が終われば、鉛筆の持ち方まで気を配ることはほとんどありません。
たまに、声をかける程度です。
少人数ならまだしも、1クラス20~35人いるクラスで、毎回毎回、鉛筆の持ち方を指導しているとまず、授業が進みません。
また、基本的に先生が、子どもの近くに行くのは、ある程度一斉授業をして、何かを考えさせている時間や問題を解かせている時間です。そんなことをしている子どもに、鉛筆の持ち方を教えていたら、本来の問題に集中できないでしょう。
だから、学校現場では、4月に正しい鉛筆の持ち方を身につけなかった子は、ずっと間違った持ち方で過ごして、間違った持ち方(悪い癖)が定着していくということ。
つまり、小学校に上がるまでの段階で鉛筆の持ち方を身に着けさせておけば、授業も集中して取り組めるということです。
実際に、正しい鉛筆の持ち方ができている子は、1割ぐらいとも言われています。それくらい定着率の低い事実があるのです。
鉛筆を正しくもてないデメリット
☑手が疲れやすい
⇒ 集中できる時間が短い
☑きれいな字が書きにくい(「とめ」「はね」「はらい」がへた)
⇒ 先生からほめられない、ノートが汚く記憶に残りずらい
☑姿勢が悪くなる ⇒
肩こりや腰痛になりやすい、集中できない
ほかにもいろいろありますが、以上がメインです。
まず、正しくない持ち方は、余計な力が指や腕に入るので「手が疲れやすい」です。筆圧のコントロールも下手で、常に力の入った字を書いていたり、逆に、全く筆圧のないふにゃふにゃな字を書いている子もいます。また、へんなところに力がかかって「たこ」などもできやすくなります。手が疲れやすいということは、同じように漢字を練習していても、たくさんの字がかけないということです。これでは、宿題もすすみませんね。また、一生懸命書いて疲れてしまうと、どんどん勉強が嫌になっていきますね。
次に、「きれいな字が書きにくい」です。この「きれいな字」という定義は置いておいて、一般的にいう見本のような字は書きずらいです。特に、「はらい」「はね」が変になりやすい傾向があります。
最後に「姿勢が悪くなる」というデメリット。私は、これが一番のデメリットだと思います。よく、すごくノートを斜めにして書いている子を見たことはありませんか?あれは、鉛筆の角度が悪くなって、横からじゃないと字が見えないからです。その状態が続くと、どんどんエスカレートして、さらに姿勢が悪くなっていきます。
姿勢が悪くなると、中学や高校の段階で、肩こりや腰痛などが出たり、骨が変性して膝や腰を怪我しやすくなったりします。また、ひどい場合は、スポーツなどの負荷に耐えられず「ヘルニア」などになったりする子もいます。「ヘルニア」になったのは、スポーツによる負荷が原因かもしれません。しかし、元を正せば、日常生活の姿勢が悪いことが原因というわけです。
鉛筆が正しく持てるメリット
教育現場に約20年いた私が感じていることは、
☑きれいな字がかきやすい(しかも、速くかける)
☑手が疲れにくい(だから、たくさんの量をこなせる)
☑姿勢がいい(授業に集中しやすい)
☑思い描いた通りに再現して書くことができる(色塗りやお絵かきがもっと楽しくなる)
以上です。一応、鉛筆会社のサイトなども見てチェックしましたが、同じようなことを書いていました。現場で感じていることがそのままだったのでびっくりです。
これは、実際にそんな子(小学5年生)が書いた作文の字の1部です。内容が分からないように1部分にしています。
ゆっくり丁寧に書いたものではありません。本当にささーと書いた字です。
15分~20分ほどで原稿用紙2枚半ぐらいの作文を書ききった字です。
本気で書いた字はもっときれいです。
こんな字が当たり前にかける子になってほしいですね。
また、ここまでとは言わないけど、鉛筆の持ち方が悪いせいで集中できなかったり、姿勢が悪くなってほしくないですよね。そのせいで、好きなスポーツをしていて怪我をしてほしくないですよね。
ここまで来たら、全は急げ!!
早目に正しい持ち方を教えてあげましょう。
鉛筆の正しい持ち方
正しい鉛筆の持ち方は、教科書に書かれています。
私が、実際に子どもたちに教えていた鉛筆の持ち方の指導方法を紹介します。
①まず、鉛筆を親指と中指の爪の根元当たりではさみます。
挟むと言っても力はそんなにいりません。はじめのうちは、力が入るかもしれませんが、人間は、正しい持ち方で、余計な力がいらないことを感じて、だんだんと要領よくなっていきます。
この2本だけでも、字が書けます。
②人差し指は、自然に鉛筆に乗っているだけです。
この人差し指が乗ることで、安定します。
③残りの指(薬指と小指)は、軽く丸めて、力をぬきましょう。
これに関しては、指導しなくてもほとんどの子ができていました。念のためとう感じの指導段階です。
④鉛筆を40度から50度ぐらい外側にねかせます。この角度が大事です。ただし、言うより先に、チェックしてからにしてください。ちゃんとできているのに、傾けることを教えると必要以上に傾ける子がいました。
子どもに40度から50度と言っても分かりませんので、「鉛筆を手にもたれさせてあげましょう」というと、伝わりやすかったです。また、言葉で伝わりにくい部分ではあるので、実際に写真で見せたり、直接教えて、その目に見える形(視界)で覚えさせることが大事です。
悪いくせを持っている子の正しい鉛筆の持ち方の練習
上の手順でやれば正しい持ち方ができると思います。しかし、癖を直すことは、新しいことを覚えるよりも時間がかかります。
正しい持ち方を知っていれば、正す気持ちを強く持つことで直すこともできます。しかし、8割の子は、これでは、癖が直りません。
また、はじめは、正しい持ち方の方が書きにくく感じるでしょう。極端に嫌がるようなら、無理やり矯正せず、もう少し理解できるようになってから教えてあげましょう。
定着率をあげるためにいは、矯正の道具を使うことをお勧めします。
鉛筆にはめ込むだけのものです。そんなに高くはありません。ぜひ、ご活用ください。
代表的なものは、「もちかたくん」でしょうね。
三角鉛筆を使うという人もいますが、三角鉛筆の定着率は低かったです(経験値)。
それは、三角鉛筆は、正しい持ち方がしやすいというだけであって、無意識に正しい位置になる鉛筆にはめこむタイプのものとは質が違うからだと思っています。
だから、段階としては、道具で正しい持ち方を覚えたら、三角鉛筆にするという段階的に考えるのがいいでしょう。
どちらにせよ、必ず、上記の正しい持ち方をしっかりと理解だけはさせてください。これをせずに、矯正道具だけ与えても、活用を嫌い、定着率は下がる傾向にあります。
また、輪ゴムを使った矯正の仕方もあります。これに関しては、もう少し大きくなってからでいいと思います。就学前段階でする必要はないでしょう。
将来、きれいな字が書けるようになるために
正しい持ち方で、お絵かきや色塗りをおもいっきり楽しませてあげましょう。
でも、1才や2才の段階で、お花や車などを描く必要はありません。
ぐるぐる巻いたり、波線を描いたりするなどがいいでしょう。
いずれ、ちょっとした〇が描けるようになります。
〇が描けたら、絵がかける第1歩です。
我が家は、小さいころは、広告の裏で落書きを楽しんでいました。すると、広告を見たら裏が白いものを探して自分でストックしていましたね。
そのあとは、模造紙でおもいっきり大きな絵を描いたりもしました。3才からは、落書き帳をあげています。落書き帳といっても、真っ白いものと、色塗り用のものです。
始めは、色塗りでも、無視して絵を描いたりしていましたが、いつのまにか色を塗るようになっていました。正しい使い方にこだわらず、好きなように落書きを楽しませてあげましょう。
また、運指の練習のためにお絵かきドリルなどもいいと思います。これは、100円ショップでも手に入ります。
まとめ
いかがでしたか?
悪い癖がついた状態から、正しい鉛筆の持ち方にしようとするとかなり時間がかかります。
基本的に、小さい頃は、お絵かきが大好きです。その段階で、鉛筆の正しい持ち方を教えることは、本当に有効です。
また、鉛筆とお箸の持ち方は、似ているところがあるので、両方とも相乗効果的にうまくなることも多いです。
勉強段階で、鉛筆の持ち方を学びなおすのは遅いです。
早目に、鉛筆の持ち方は教えてあげましょう。