不登校を乗り越えた方法

不登校を乗り越えた方法

大学院で学校心理・発達健康教育を学んだJJです。

教育界に約20年いた経験と心理学を学んできた経験を活かし、

子育てに悩むお家の方の健康と子どもの幸せを本気で応援しています。

 

今回は、「不登校」についてお伝えしたいことがあり、ブログにしました。

きっと、このブログを見ているということは、すでに「不登校」の子どもと関わっている方が多いと思います。

そういう前提でお伝えさせていただきます。

 

私自身は、自分のクラスの不登校の子どもを、これまで、13人みてきました。

そのうち、自分のクラス中に、学校へ行けるようになった子は、10人。

私のクラスではなく、次の学年以降に行けるようになった子を2人。

保健室登校できるようになった子は、1人。

です。つまり、関わってきた不登校の子は、全員、学校へ行けるようになっています。

また、相談や周りも含めると30人以上は接してきています。

 

このブログを読んでいただけることで、

不登校の子と笑顔で向き合い

少しでも、子どもが前へ進めることを願っています。

 

 

不登校は心の病気!?無理せず、焦らず!!

不登校に関して、昔は、周りからすると、「なまけ」「弱い」という精神論で片付けられてしまいがちです。

しかし、最近は、「心の病気」として認知され始めました。

病気の我が子を無理やり学校へ行かせる必要はありませんよね。

同じです。

その病気が治るまで(克服できるまで)は、無理やり学校へ行かせる必要はありません。

でも、放っておいても治るものではありません。

不登校は、家族と学校、専門機関が手を取り合って、一緒に前へ向けるようにすることが大事です。

原因は、1つではないことが多いからです。確かに、きっかけは、

・友達との人間関係

・勉強

・家庭環境

の3つが多いでしょう。

そして、不登校になっている状態というのは、すでに心が傷ついている状態です。

原因が解決したら行けるというものではありません。心にエネルギーがたまることが大事です。

もともと、日本は、「学校へ行くべきもの」という考え方が強い国です。

私も、それは間違っていないと今でも思っています。

でも、アメリカなどは、学校へ行けないなら、「家で勉強すればいい」という考えです。

こう考えると、少し心が楽になりませんか?

 

 

学校へ行くのはだれのため?

特に初期、不登校の子どもとの対応で親が失敗することがあります。

言葉では、「勉強ができなくなる。」「将来、あなたが困る」とかいろいろ「あなたのため」と言いながら、言葉の端々や態度に、

「あなたが家にいると大変」「仕事に行けない」「子育てに失敗したって思われたくない(私が恥ずかしい)」ということが伝わることです。

事実ではあると思うのですが、これらを理解し、心の中で整理できるようになるのは、心にエネルギーがたまってきてからです。

これらを感じると、子どもは、「どうせ私のことなんて・・・」となってしまいますから。

だから、大事なことは、

「私(親)は、今のあなたにしてあげられることは何か?」

ということです。これは、なんでもわがままを聞くということではありません。

「学校へ行けるようになってほしい」

という気持ちは、常に持っておけば、ぶれずに接することができると思いますよ。

子どもも、きっかけを待っているものです。

また、よくあるのですが、家族で力を合わせるだけで、すぐに解決したという例も少なくありません。

よく子どもが不登校になると、母親だけががんばるケースが多いです。

確かに、子どもは、母親を求めることも多いし、多くの家庭は、父親は働いていて、仕事を休むことができません。

でも、父親が、休みの日に、一緒に出かけたり、遊んだり、「心のエネルギーがたまったら学校へ行けたらいいね」というスタンツで接していたら、意外とすぐに学校に行けるようになったというケースもたくさん見てきました。

不登校が長引くケースは、やはり、「どちらかの親の存在が見えない」という場合が多かったです。「見えない」というのは、学校側の意見です。

どういうことかというと、例えば、「母親」と話していて、「父親の存在が話の中でいっさい現れない」とか、母親と父親と別々に話していて、「言っていることが違う」という場合や、お互いに批判している場合などです。

 

 

不登校ケースごとの対処法

1つだけ先に言っておきます。不登校の対応に正解はありません。また、同じ不登校でも、もっている問題は人によって違います。

これは、学校へ行けるようになったことを成功とするならば、20年間の教員人生で、1番成功例の多かったものの1つだと思ってくださいね。

 

【1】ときどき「休みたい」というケースの場合

 「しんどい」「お腹が痛い」「友達とけんかした」など、理由はいろいろあるでしょう。

  初めて子どもが、「学校へ行きたくない」というような内容ではなく、「お腹が痛い」などと言われたときに、無理やり学校へ行かせることは、正直、難しいです。

 そして、何度もこうなっている場合はなおさら難しいです。

 でも、ときどき休みたいという子どもに対しては、「しっかりと話し合う(約束する)」ということが大事です。

 

 こういうケースは、これまでの対応のほとんどがこうではないでしょうか?

   ~今日休むけど、「明日は行く」と約束する家~

 この約束を否定しているわけではありません。1日休むことで、心にエネルギーがたまって、学校へ行くという子もたくさん見てきました。

 こういう約束をする家の特徴は、自分の家がそれで大丈夫だった経験があるとか、自分の家がそれを許してくれなくて嫌だったという場合が多いです。

 この約束を1度すると、当然、子どもは、何度もこの手を使ってくるようになります。そして、急に、「ダメ」となっても、どうして今回はダメなのか?子どもの中で、納得ができないものです。頭では、学校へ休むことがだめだと分かっていても、それを許してくれた親とのこれまでの関係の問題だからです。小さい頃は、それで、学校へ行くかもしれません。でも、思春期ごろに、また「お腹が痛い」などと言い出すと、意地でも行かなくなる可能性が出てきます。そのまま、学校へ行けなくなるケースというのも見てきました。

 

 だから、しっかりと話し合って約束するということが大事です。

 まず、 「お腹が痛い」「しんどい」ということを認めてあげる必要はあります。

 その上で、「休みが多いから、心配だよ」と伝えてあげましょう。

 もし、子どもとの関係に自信がない場合は、学校の先生など第3者も入れて話し合いましょう。

 逆に、親は子ども側に立ち、先生に、悪役ではないですが、「学校へ連れていく」という立場になってもらうこともいいと思います。

 だいたい成功するケースは、「熱がなかったら学校へ行く。どうしてもしんどいときは、保健室に行く」という約束で落ち着けることです。

 そして、「お腹が痛くなりやすい子もいる。でも、その体と一生付き合っていくのはあなただよ。だから、それに負けない自分を作っていこう」

 という約束にします。例え、本人が「お腹が痛い」と言っても、「先生と約束したから・・・」と言えば、大丈夫です。

 ほとんどの場合、学校へ行ってしまえば、意外とけろっとして授業に参加して、休み時間は遊んでいます。

 

 当然、この約束をしたら上手くいくわけではありません。

 約束をした以上、親も学校も徹底する必要がありますよ。

 そこは、約束をどれだけ約束として周りが徹底できるかということも大事になります。

 

 補足ですが、1つだけ注意点があります。

 それは、「人間関係」です。特に女の子に多いです。

 こればっかりは、本人が言ってくれないと気付かないケースが多いです。だからこそ、学校に相談しておく必要があります。

 学校へ行っても、「一人でいることが多くないか?」「友達といても、笑っていないことが多くないか?」「友達といても、本当は、その友達関係に疲れているのではないか?」

 これは、本当に見極めるのが大変ですし、子どもも、気づいてほしいけど、気づいてほしくないという複雑なケースもあります。

 当然、そのときに学校へ行くなんて、本当に、本人はしんどいものです。ただ・・・・・・、

 その時はしんどいかもしれませんが、新しい人間関係を作ることができれば、成功体験として、これからも乗り越えられます。

 しかし、そもそも、人間関係を作ることが苦手な子もいます。その見極めも、学校と一緒にするべきですよ。

 

 

【2】1週間以上学校へ行けなくなっているケース

 ここまでくると、子ども自身の心は、かなり疲れている状態です。そして、多くの場合は、

  ①人間関係

  ②親子関係(愛情不足)

 のどちらかです。あと、中・高ぐらいになれば、「勉強が面白くない」も入ってきますが、とりあえず、今回は、小学生という視点で話を進めていきますね。

 

 まず①の人間関係です。

  「けんか」「いじめ」「人が苦手」「自分が認められない」など、理由はいろいろあります。

  でも、それを何とかすることに力を注いでもうまくいくことは、ほとんどないです。

  低学年なら、友達と話し合って、先生の力を借りれば何とかなりますので、学校に相談が1番です。

  しかし、日本にいじめは悪質だと新聞でも取り上げられるほどです。それは、見ている人が何もしないということなんです。

  だから、一時的に、先生に話をして解決する事例も多いですが、そうでないケースも多いことは事実。

  だから、本人の視点が変わるまでは、精一杯、心にエネルギーをためていくことが必要になります。

  勉強は、家でしたらいいです。もしくは、先生に宿題だけ持ってきてもらって、それを一緒にするのもいいでしょう。

  まずは、担任の先生(もしくは、担当の先生)との人間関係を作ることが大事です。

  うまくいくケースは、 

   ①保健室登校から始める

   ②放課後に数時間だけ勉強をする

   ③カウンセラーの先生とお話をする

   ④放課後、体育館で思いっきり体を動かす

 というケースが良かったです。とくに、②と④は、担任の先生の協力も大きく必要です。不登校の子が一番恐れているのは、無理やり連れていかれることです。そして、無理やり約束させられることです。本当に、無理やり誰かに会わせられたり、引っ張られたりしないということで、安心して学校へ行くようになります。放課後に1時間だけでも、学校へ行くことができたという経験は、①や③へつながりやすいです。まずは、このステップから始めてみましょう。

 そのためにも、学校や専門機関との相談は、忘れないでくださいね。

 

 次に、②です。

 これは、判断が難しいですが、親と離れられないということが今でもあるなら、母子分離症と判断してもいいでしょう。また、親がケンカをよくする家庭でも起こりやすいです。さらにいえば、小さい頃に愛情をうまく受け取れなかった子にも多い傾向があります。これは、親が与えたかどうかが問題ではなく、その子自身が、受け取れたかどうかです。あと、不登校になりやすいのは、一人っ子よりも、兄弟がいる家というのも特徴かもしれません(あくまで傾向です)。それは、下ができたとたんに、かかわりが少なくなったり、いい子を演じていたりするからだと考えられます。あとは、共働きですね。片親でも不登校になるケースはありますが、意外と少ないです。つまり、接する時間よりも、接し方が大きく関係していると考えられます。

 こうなったら、甘えさせることが1番の近道です。突き放しても、効果はありません。おもいっきり甘えさせてあげてください。はじめは、親の方がしんどくなるでしょう。だいたいの場合は、家にいると子どもは、親と離れているからです。べったりではないことがほとんどです。でも、学校へ行くというプレッシャーが始まると、急に、べったりになります。

 この状態は、学校もがんばる必要はありますが、ほとんどが、家のがんばりが大事です。子どものころに受け取れなかった親とのスキンシップを時間を取り戻すように経験していくことで、少しずつ離れていきます。このときに、絶対にしてはいけないことは、その子を否定することです。

 でも、学校とのつながりは大事です。学校や専門機関としっかりと話し合って、②や④などで、はじめは親と一緒に登校できるといいですね。

 また、その子が好きなものだけでも授業をしてもらうのもいいと思います(理科や図工、家庭科、体育が多かったです)。

 人間関係に問題がなければ、その子も友達も一緒に呼んであげるのもいいでしょう。

 とにかく、家庭にできることは、一緒にいてあげるということです。

 ただ、例外があります。それは、親同士の関係です。意外と、親から離れられない理由に、親同士の不仲というものがあります。子どもの深層心理の中に、「母親を守ってあげないといけない」とか、「お父さんがいなくなるかもしれない」という不安だったりもあります。だから、意外と離婚してすっきりするケースや、逆に、お父さんが、子育てに参加し始めて、改善するケースなんかも出くわしました。

 とはいえ、家の問題を家だけで解決できるなら、もうすでにしていると思うので、不登校の話し合いをきっかけに、学校などの第3者からアドバイスをもらうことも重要かと思います。

 

 

まとめ

 いかがでしたか?

 不登校は、本当に、多くなっています。

 それだけ、学校に問題があるのか?家庭環境に問題があるのか?

 ではなく、そういうことが認められるようになってきているということです。

 昔は、どこの家庭でも無理やり連れていったものです。古すぎますが、けんかをしたら、勝つまで帰ってくるななんてこともあったと聞きます。

 そうではなくなった時代です。だから、自分の子が不登校になっても、それほどあわてないでください。

 おじいちゃん、おばあちゃんは、何か口をだしてくるかもしれません。

 でも、流されないでください。

 その子のためにできることを精一杯、関わってあげてください。何かを子どもは感じます。

 あっ、甘やかすとは違いますよ。常に、先を見ておくことです。

 逆に、甘やかしすぎて、何もできないことに子どもが気づき、不登校になった例もあります。

 「お母さんのせいだ」って。

 正解はありません。

 不登校の情報なんて、ニュースはいじめしかしてくれません。

 不登校でも、ちゃんと学校に行けるようになっている子はたくさんいます。

 学校に行けなくても、就職して、ちゃんと働いている子はたくさんいます。

 

 

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