子どもにとって睡眠は成長につながる!理想的な子どもの寝る時間とは?
目次
子どもは何時に寝かせればいいの?睡眠の大事さ!!
大学院で学校心理・発達健康教育を学んだJJです。
この前、ネットを何気なく見ていたら、
「夜遅くに親と子どもが買い物をしている姿を見て不自然に思う」
という意見に対して、「多様化」「各家庭の事情」「スキンシップの方が大事」「〇時まで寝かせなければならいという方がかわいそう」
など、「〇時に子どもが不自然」という意見に対して反対意見が多くありました。
そういう時代なんだなあ・・・と思いますね。
当然、私も家に帰るのは、遅いときは21時とか22時とか普通にありますし、前の仕事は、朝の6時までに出ることも多かったので、1日子どもに会わなかったっていう日も多かったです。確かに、子どもは寂しかっただろうなあと思います。
「母子家庭」「両親共働き」などになってくると、子どもとの時間を作るうえで、そうした夜10時ごろに買い物に出かけるというのも、子どもと接する大事な時間なんだろうなあと思います。親と過ごす時間というのも大事ですからね。
でも、これって日本特有のことだったらどう思いますか?
日本人は、世界で1番働いていると言われています。
また、思春期の子ども達の睡眠時間を比較しても、日本(約7時間)は、アメリカよりも30分も短いです。
学力調査で高い点数をとるフィンランドは、1時間45分も長いです(約8時間45分)。
しかも、日本は世界で1番睡眠時間が短い国になっています。
そう考えると、日本だから仕方ないとなっているだけかもしれません。
ただ、どんな理由があったとしても、子どもと睡眠時間が及ぼす影響について理解しておくことは大事でしょう。
また、「不自然」と考える方の意見も古いのではなく、多様化の中の1つの意見として認められるのではないでしょうか?
日本の子どもの睡眠時間は減っている
子どもの成長においてこんな言葉を聞いたことがあると思います。
「よく遊び、よく食べて、よく寝る」
その寝るという時間が減っているというのです。
特に、就寝時間が遅くなっているというデータが出ています。
社団法人日本小児保健協会が実施している幼児健康調査によると、1歳児から、夜10時以降に寝る子どもの割合が30年前は1割程度だったのが、5割を越えているというのです。(※最近は、睡眠に対する意識も高まり割合は減っているようです)
それは、幼稚園や小学生ぐらいになっても同じです。就寝時間が遅くなっても、幼稚園や学校の始まる時間が変わったわけではありません。つまり、単純に睡眠時間が減っているというのが現状なのです。
また、日本は「寝かしつける」という言葉があるように、子どもを寝かせることも、しつけの1つとして日本文化に根付いていましたが、最近は、そうした意識が薄れてきていると、関西福祉大学の服部先生は、論文で述べています。
それは、大人のライフスタイルの変化が大きく影響しているともいえるでしょう。
しかも、半分以上、夜10時以降に幼児や児童が寝ている時代です。
冒頭で述べたような考えが普通になりますね。
睡眠時間の減少が子どもの成長に与える影響
睡眠時間が十分に確保されていないと、以下のようなリスクが高まります。
①成長ホルモンが十分に分泌されない
②肥満のリスクが高まる
③日中に集中力が出なかったり、疲労感を感じる
④イライラすることが多くなる
⑤朝ごはんを十分に食べない(栄養面の心配)
などなど・・・。
つまり、睡眠時間が少ないせいで、子どもの成長面にも心理面にも勉強面にも影響があるという結果です。
実際に、睡眠時間が7時間と8時間の子どもを比較した勉強の結果でも、8時間の子どもの方が勉強ができる傾向があると出ています。
また、正確な描写テストでも、8時間の子どもの方が、正確に大きくはっきりと描写できるという実験の結果もあります。
また、30分長いとされているアメリカでも、睡眠の問題は、1つの社会問題となりつつあるようです。
これは、事実として知っておく必要があると思います。
睡眠時間だけにとらわれるな!睡眠前の行動にも要注意!!
睡眠時間を正しくするだけでは、子どもの健康は守れません。
そもそも、どうして、子どもの睡眠時間が減っているのか?
5割以上の家庭の親の帰りが遅いからでしょうか?
それだけではありません。
テレビやスマホ、パソコンといったものにも影響を受けているのです。
最近は、「夜遅くまで子どもと一緒にテレビを見たりする親」「パソコンやスマホをしている親」「ゲームをしている親」が増えているのです。
これは、仕方ないではありません。大人のライフスタイルを子どもが合わせている(当然、子どもにその意識はありません)のです。
子どもは、テレビもパソコンもゲームも大好きです。だから、子どもは喜んでします。
でも、そうしたブルーライトの影響や光の強い刺激が、睡眠に影響することは、周知の事実だと思います。
(いやいや、寝れているよっていう人もいるかもしれませんが、それは、お酒と一緒です)
そう考えると、夜遅くに出歩くということは、光や目に入るものなど、刺激が大きいことから望ましくないのかもしれませんね。
子どもが寝る理想の時間
まず、教育関係や保健関係のアンケートの基準が夜9時となっていることから、まず1つの基準は夜の9時を目安にするといいでしょう。
夜9時に寝れば、朝6時におきるとして、9時間の睡眠ということになります。
また、夜10時以降というアンケートもあります。
教育界でも大きな教育技術団体であるTOSSは、夜8時ということを言われています。それは、有能な方々の幼少期の就寝時間が夜8時だったことが大きいようです。
ただ、時代が違うといえば違うので参考程度でいいかもしれません。ただ、時代は違っても子どもは子どもなのです。時代だからということは言い訳なのかもしれません。
また、1つ前の章で8時間睡眠の子どもの成績が高い(発達や集中力の面でいい)ことから、8時間の睡眠確保が重要だといえるでしょう。
これらのことを考えると、子どもの適切な就寝時間は、夜8時~夜10時ということになります。そして、確保すべき睡眠時間は、8時間が1つの基準になります。
(※実験の睡眠時間8時間は、就学児童、生徒のものなので、それより小さいお子様は、もう少し寝た方がいいですよ)
子どもが寝る前の理想的な過ごし方
これは、補足程度にまとめておきます。
①ご飯を食べる
②少し遊ぶ
③お風呂に入る
④就寝前に必ずすることをする(例 歯磨き、水を飲むなど)
⑤絵本などを読み聞かせる
となるでしょうか?
これは、1つの例です。お風呂に入ったら、テレビやゲーム、スマホやパソコンなどはせずに、本を読む程度ぐらいにすることが、脳への刺激が少なく理想的な睡眠につながるでしょう。
まとめ
いかがでしたか?
きっと、「な~んだ。これまで通りじゃん。」っていう結果だったかもしれません。
でもね。
子どもの理想的な就寝時間を知ることよりも、子どもを大人の睡眠に合わせることは、子どもの成長に大きな影響を与えるということを知ることの方が大事です。
そのうえで、家族のスキンシップも大事にした就寝時間を考えることが大事なのではないでしょうか?
また、成長ホルモンは、夜10時から2時の間が1番ということも言われていたりもします(これは、老化、美肌、ダイエットなどの側面から大人にも良いそうです)。
そういう意味でも、できれば、夜10時までには、自然と眠りにつく生活習慣を心がけてあげたいですね。