ほめるだけでは不十分!子どもの心を育てる大切なもう1つの言葉!!

ほめる子育てだけでは不十分!子どもの心を育てる大切なもう1つの言葉!!

大学院で学校心理・発達健康教育を学んだJJです。

ほめる子育てを実践しようとがんばっているお家の方に、ちょっと工夫するだけで

子どもの心がぐっと豊かに育っていく方法をご紹介ます。

 

このブログを読むことで、ほめる教育に自信を持ってもらえたらと思います。

 

 

ピグマリオン効果の問題点

大学生のころに覚えたピグマリオン効果。

簡単に説明すると、「親が期待している(信じている)と子どもは、その期待(気持ち)にこたえようとがんばる」ということ。これは、心理学的に証明されていることです。

 

きっと、これは、子どもだけでなく大人にも当てはまるのではないでしょうか。

例えば、仕事で大好きな先輩から、「お前ならできる!期待しているよ。」って言われたら、どうですか?

がんばろうって思いますよね。

人は、期待されるとその期待に応えたいものです。

 

でも、人の期待に応える生き方ってしんどいときもあるんです。

確かに、期待に応えようとすることで、自分の力以上にがんばることができ、結果的に成長できます。

でも、こんなことばかりが続いたらどうでしょうか?

きっと・・・疲れた・・・・・・ってなりますよね。

 

そこには、「人の価値観に合わしている自分」が存在するからです。

 

褒める子育ても同じです。

「すごいね。」って言われたらうれしいものです。自己肯定感が育ちます。すごくいいことです。

でも、「次も褒められたい」「次も褒められたい。」と思いでがんばります。行き過ぎると、

そこには、「人の価値観に合わしている自分」が存在しているのです。

 

褒める子育ては、間違いなく、自己肯定感を育みます。

でも、それだけでは、やっぱりだめなのです。

 

 

ほめるだけでは足りないこと

よく先輩から、「1叱ったら10褒めよ」と言われました。正直、10も褒めるのは難しいです。でも、それくらい意識しろって意味なんですね。

なんだ。つまり、「叱る」と「ほめる」を使い分けろってことかあと思った人もいると思います。

 

違います。

 

足りないこと(大切なこと)は、「感謝を伝える」ということです。

褒めると感謝は違います。

感謝される喜びを知ると、「人の役に立つ喜び」を知るのです。

 

 

具体的な先輩の体験談

私の尊敬する先輩は、親の愛を知らず荒れて育った子を見てきました。70歳を過ぎた今も、そうした施設にボランティアで働いています。

そんな先輩が、「中学生で原付で走り回り、学校に行ってもケンカばかりしているB」に出会い、まずさせたことは何だと思いますか?

それは、勉強でも授業に参加させることでもありません。

先生方にお茶を出させることでした。

「えっ、それって体罰じゃん」

て思った人もいるでしょう。でも、考えてみてください。Bくんは、学校では、いろいろな先生から叱られていたに違いありません。話をするときは、きっと、お互いに感情的になっていることが多かったでしょう。

でも、いつも怒る怒られる関係の人から、「ありがとう。」というコミュニケーションが生まれるのです。

Bくんは、そのときは、まったくリアクションもなく、やらされている感じでやっていたそうです。

そして、先輩は、「ありがとうな。」と言って、Bくんを家に帰します。

ただ、次の日も、文句も言わず、お茶を出すBくん。先生方も、それを知ってか、たくさんの先生が休み時間に職員室に帰ってきます。

そして、Bくんが持ってきたお茶を「ありがとう。」と言って、飲み「おいしいよ。」と言います。

 

「人の役に立ったという実感」

 

これを繰り返して、Bくんは、学校で授業に出るようになり、先生の前でも笑うようになり、問題行動も減っていったというのです。先生方が、帰ってきてくれているやさしさにも気づいていたのかもしれません。

家に居場所のなかったBくんには、言葉や態度に出さなくても、そこに居場所があったのかもしれません。

当然、お茶くみだけでこうなったわけではありません。もっとたくさんの「人の役に立つ」経験をBくんは、していくのです。

 

 

子育てで「人の役に立つ喜び」を育てる方法

家での絶対的な存在は親です。

褒められることも好きですが、

子どもは、親に喜んでもらうことも大好きです。

 

何かお手伝いをしたり、

気分で急に何かをしてくれたりすることもあると思います。

そんなときに

「ありがとう。」

と言ってあげるだけです。

 

でも、ただ「ありがとう。」というだけでは、もったいない。

「具体的に、何がうれしいのか?」を添えるのです。

 

例えば、子どもが、「新聞を取ってきてくれた」としましょう。

「新聞を取ってきてくれてありがとう。朝から新聞があると、すぐに昨日のニュースが分かるから仕事に困らないよ。」

例えば、何か落としていて子どもが拾ってくれたとしましょう。

「拾ってくれてありがとう。もし拾ってくれなかったら、どこにあるのか分からなくて困っていたよ。」

というような感じです。

 

ありがとうと言われただけでなく、それをしたことで、何の役に立ったのかが分かります。

子どもは、聞いてないように見えることもあると思いますが、意外と聞いています。

毎回するのはしんどいですが、余裕があるときは、具体的に「助かった」「うれしかった」という気持ちも添えてあげてください。

子どもの中で、「人の役に立つ喜び」の芽が大きく育っていきます。

 

 

まとめ

褒める子育てだけでは、褒められると動く子に育ちます。でも、褒められないと満足しなくなることもあります。でも、しっかりと「人の役に立つ喜び」の芽が育つと、たとえ、ありがとうって言われなくても、その人が喜んでいる笑顔を見て、その人が真剣に取り組めている姿を見て、役に立てたと自然と思えるようになっているはずです。そして、それが、ほめられなくてもがんばろうと思える行動力に変わっていきます。

 

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