【LINE詐欺編】子どもを守る親の役割

 

 今でもありますが、一昔前から被害報告の多い「オレオレ詐欺」。

これだけ報道されて認知もされているのに、引っかかってしまう人が後を絶ちません。

その「オレオレ詐欺」も劇場型となり、多くの役割(警察・被害者・弁護士・医者等)を担って複数人で信じ込ませるようになってきました。

 今回は、LINEで2023年起きている詐欺について親が知りましょう。

 そして、そのことを子ども(特に携帯を持ち始めた子)に伝えていきましょう。

 

 

LINEグループ招待から始まる詐欺の流れ

① 無料情報提供でLINEを登録させる

 無料情報自体がいけないのではありません。大手企業であっても、はじめに使ってもらうことや知ってもらうことを目的として、無料や割引価格で商品や情報を提供しています。

 その目的は、無料(割引価格)で使用した人の何割かが、本商品に興味を持って使ってもらえたらという方法です。

 これ自体は、違法ではないです。しかし、その中の一部で詐欺に合う可能性があることを子どもに伝えていきましょう。

 

親が子供に伝えるポイント1

 自分が何に登録したかをメモ(スクショ)するように

 

 記録しておくことで、その会社名(詐欺会社が大手会社名を名乗っていることもある)であったり、呼び込むための広告と実際にやっていることが一致しているかを調べることができること。いざ、被害にあったときの証拠になること。

 

② LINE登録から別のグループや個別登録へ誘導する

 別のグループには、まるで自分と同じように招待されたように装っているさくらがたくさんいます。

 また、個別登録して個人的にやり取りすることで、親密性や信頼を得ようと考えています。

 ここで、あなたの個人情報を得ようとしてくることもあります。

 

親が子供に伝えるポイント2

 企業側が個別に親身になってやってくれることはない。お金や商品など企業も利益を得ることが目的であること

 個人情報や友達の情報は、絶対に教えないこと

 

 日本人は特にそうかもしれませんが、「自分だけに何かをしてもらった」という経験は、相手を信用してしまう要素になります。

 

③ お得な情報や知識を発信して受け取らせる

 ここが大きな詐欺ポイントです。本当に、その情報に精通した人やそれ専門にやっている人が先生役やアシスタント役となって、リアルタイムに情報を提供してきます。

 この情報が本当にすばらしくて(そのときたまたまその通りになる)、信用してしまうそうです。しかし、これには裏があります。

こうやってLINE登録されている人はたくさんいます。それを何グループかに分けて、それぞれ別の情報を送るのです。そうすると、外れたグループには、その外れた理由をもっともらしく。当たったグループには、「私の予想通りになりました」とアナウンスしていくだけなんです。そして、たまたまあたり側に配置された人は、「この人はすごい」と、ますます信用していくわけです。

 

親が子供に伝えるポイント3

 情報は、1つだけを信用せず、多くの情報を調べることが大事。そして、一人ではなく友達や親など複数の意見を聞くこと

 友達に意見は聞いても、友達を誘い込まないこと

 

 信用してしまっているときは、盲目状態です。冷静な判断はできません。その例は、いくらでも想像がつきます。ここで第3者の意見を得ることで、盲目状態をリセットできるかもしれません。

 

④ お金がかかる商品や情報を提供する前に無料でよい経験をさせる

 数週間から1か月以上をかけて信用を得た頃に、無料でもうかるような体験を売ってきます。

 そして、さくらたちが、それをべた褒めします。

 すると、自分には効果がなかったり、あれっと思う状態だったとしても、「たまたま」「時間がかかる」と思ったり、仮に疑似的に良い体験をしてしまい、さらに信じ込むことになります。

 

親が子供に伝えるポイント4

 無料の次に有料の話があるんだよ。そこで、一番冷静にならないとだめだよ。

 

 これは「本物」だと思ったとしても、必ずだれかに相談することを、とことん伝えましょう。

 

⑤ 有料の商品(情報)の話が出てくる

 最近は、向こうから「買ってください」「お金を振り込んでください」と言って来ることは少なく、さくら役の人たちが、「それを手に入れるにはどうしたらいいのか」「私も欲しい」という声をどんどん上げてきます。

 その流れを見て、自分も手を挙げてしまうようにしむけてきます。

 

 

親が子供に伝えるポイント5

 信用してしまっているから、最後は、振り込む前に「口座名」を確認すること。個人口座は絶対にアウト!振り込むな!

 

 ここまでくるとかなり信用している(洗脳されている)ことになります。最後は、お金を振り込む前に「口座名」を確認することを伝えましょう。ただし、これも今だけかもしれません。いずれ巧妙になってくれば効果がなくなるかもしれません。

 

 

⑥ 有料の商品(情報)を提供したあとも続くさくらのあおり

 このあとも、「得した」「言うとおりになった」と、さくらがどんどんと騒ぎ続けます。

 この流れに乗らないという心理になってしまっています。

 次の商品の案内が始まります。

 

 

被害に合ったらどうしたらいいの

 ・警察に被害届

 ・弁護士に相談

 ・情報を提供してしまっている場合は、すぐに暗証番号などを変更

 

①警察に被害届

 まず、警察へ被害届を出すことで、振り込んだ口座を凍結してくれたりします。

 その場合、その口座にお金が残っていたら、被害者の数や金額に応じて少しかえってくるかもしれません。

 可能性はかなり低いですが、1度自分の状態をリセットするために被害届を出しましょう。

 

②弁護士に相談

 これは、容疑者がつかまったり、会社の組織的な詐欺があった場合に、有効になったりします。

 

③銀行口座やクレジット番号は要注意

 本当に詐欺グループに知られているという時点で気持ち悪いですよね。

 すぐに連絡しましょう。

 

 

子供を被害から守る親の役割のまとめ

 とにかく、携帯を持ったときや金融リテラシー教育が始まったときにしっかりと伝えることが大事です。

 また、大学生ぐらいになってくるとアルバイトなどで、自分が自由に使えるお金も増えてきます。この時が、一番あぶないです。

 

 以前、アルバイトを探していた大学生が「隙間時間に〇〇するだけで月5万円以上かせげる」というサイトを見つけてやったことがあるそうです。

 それは、まず、体験(見習い)ということで、言われた通りしたら、お金に換えられるというポイントが溜まっていきます。やることもすごく簡単で、これなら隙間時間にできると考えたそうです。しかし、体験で得られるポイントはすごく少なく、本登録すると、何十倍ものポイントがつくそうです。

 そこで、本登録しようとしたときに、3万円の登録料がかかることが分かったのですが、1か月で5万円以上稼げることから、登録したそうです。その後、順調にポイントを貯めてお金にしようとしたのですが、失敗しましたと出るだけで、結局お金には変わらなかったそうです。結局詐欺サイトであることが分かったそうです。

 

 『投資』『アルバイト』『美容』『ファッション』など、いろいろな情報があふれている中に、詐欺グループが潜んでいます。最近の詐欺は、かなり大がかりです。長期に渡って信頼を得てからゆっくりと目的を達成しようとしてきます。

 『私は大丈夫』と慢心せず、判断基準と冷静に客観的に判断できる方法を考えておきましょう。

 

 

 

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